私のルネサンスごはん ごはんとおかずのルネサンス

第8回:高林秀美さん(パン教室主宰・主婦)

高林秀美さん プロフィール

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ フランス菓子教室本科第1クール、2012年3月卒業。
厚生労働大臣認定 製パン1級技能士コース、2012年4月修了。
現在、自宅でパン教室を主宰。
ルネサンスごはん歴は約1年。

約2ヵ月で冷え症が解消。息子もアトピーが好転

──高林さんは、今までも食事には気をつかっていたそうですね?

高林秀美さん(以下、高林) はい。私は若いころから代謝が悪く冷え症でしたが、体質だと諦めていました。11年前、息子がアレルギー体質で生まれたことを機に、食に対して気を使うようになりました。「安全な食材を使う」「必要がなければ野菜の皮はむかない」「アク抜きはしない」「砂糖は控える」「化学調味料などの添加物はなるべく避ける」ということは既に実践していました。好き嫌いもありません。このような食生活をし、これ以上の改善はないものと思っていました。

──そういう流れで、弓田や椎名からルネサンスごはんを薦められた、ということでしょうか? 最初、アク抜き・下茹でしない、砂糖・みりんを使わない、いりこなどを入れてそのまま食べる、などのルネサンス流の作り方を見た時は、どう思われましたか?

高林 先ほども申し上げたように、以前通っていた料理教室も「アク抜き・下茹で・砂糖を使わない」という調理法でしたので、その点では抵抗なく作る事ができました。しかし、「出しを取って、出しも食べる」といった経験がなく、どこにでも出没する丸ごとのいりこには少々戸惑いがありました。

 ただ、今までの自分がやってきた料理法とさほど方向性は違わないのかなと思い、まずはお味噌汁とごはんから気負うことなく始めることにしました。2011年の4月のことです。

──ルネサンスごはんを初めて食べた時の感想を教えて頂けますか?

高林 最初に「ナチュールごはん」(白米、タイ米、刻みアーモンド、いりこ、昆布、塩が入った基本のご飯)を作った時、いりこが「魚臭い?」と不安でしたが、そんな心配は全くの無用でした。ご飯を炊いている時の香り、そしてその美味しさに驚きました。優しく、ほっこりとした味わいがお気に入りです。ご飯だけでも美味しいので、忙しい朝はご飯とみそ汁だけの日も多いのですが(笑)、それでも元気に1日のスタートがきれます。

──何か体調の変化はありましたか?

高林 代謝をよくするためにスポーツジムでのトレーニングも始めましたが、4月から始めて6月には冷え症の改善を自覚しました。7月には顔色がよくなったと周りから言われるようになりました。半信半疑で始めただけに、この言葉にはとても驚きました。トレーニングにより代謝が上がったこととの相乗効果だと思いますが、それまでかたくなだった体質が変わってきたのだと嬉しくなりました。

 同じ食事をしてきた息子にも変化が現れ、それまで一進一退だったアトピー性皮膚炎が改善されつつあります。それまでは患部がジュクジュクし、包帯を巻いての生活が長かったのですが、今では包帯は必要なくなりました。患部の範囲は以前より狭くなり、その深さも浅くなりつつあります。完治にはまだ時間がかかりそうですが、このまま良い方向へ進んでくれれば…と願っています。

──実際に体験してみて、今までの食事とルネサンスごはんの一番の違いは何だと思いますか?

高林 「いりこや昆布でしっかりダシを取り、全てを食べること」「電子レンジを使わないこと」ですね。これまでも電子レンジを使うと素材の味わいが変わる気がして好んで使ってはいませんでしたが、これをキッカケに使うことをやめました。どちらも慣れてしまうと難しいことではありませんでした。

 それまでオーガニック(有機食品)に頼る生活をしていましたが、ルネサンスごはんは普通のスーパーで売っている野菜を基本にしているので家計も助かっています。

 要は、少なくなってしまった食べ物の栄養素をうまく補っていくことなのだなと改めて勉強しました。

──よく作るメニュー、家族やお子さんが好きなメニューなど、いくつか挙げてください。

高林 毎日の定番は、ナチュールごはん、お野菜沢山の味噌汁、ぬかみそ漬けです。食べ盛りの息子からは、豚肉の生姜焼き、鶏の唐揚げのリクエストが多いです。

 今年初めて「おせち料理」を作りましたが、家族に大好評でした。一年の始まりをこんな美味しいおせちで迎えられることに幸せを感じました。

※昆布巻き、なます、芋栗胡桃きんとん、黒豆、田作り(全て「ごはんとおかずのルネサンス 真実のおせち料理編」掲載のメニューばかり。

──日々の暮らしの中で手抜きしていること、我が家でのアレンジ術、ルネサンスの考え方を取り入れたオリジナルレシピなどがあればご紹介ください。

高林 例えば、写真の食卓に載っているご飯、味噌汁、おかずも、全てルネサンス流の考え方を取り入れています。味噌汁は、切り干し大根の他、油揚げ、人参、さやいんげんなどを入れました。

 ナチュールご飯に、この日はひよこ豆を入れました。事前に水戻ししなくても、炊く時に乾燥の豆を入れるだけでホクホクと美味しいです。黒豆を入れるとご飯にうっすらと紫色がついて、目にも楽しいです。

 サラダには、ドライフルーツやナッツ類を入れるようにしています。この日のかぼちゃサラダには、刻んだ胡桃やレーズンを入れて、食感にアクセントをつけました。

 また、ぬか漬けもその日に食べる分を少しずつ漬けています。この日は、キュウリと庭で穫れたプチトマトを漬けました。プチトマトもフォークで穴をあけて漬けると、味わいが深くなり、ちょうど良い箸休めとなります。

──これからルネサンスごはんをやってみようかなと思っている方に、アドバイスがあったらお願いします。

高林 食事の定番「ご飯とお味噌汁」から始められると良いと思います。比較的簡単に作れるところも魅力です。そして、「ぬかみそ漬け」もおすすめです。ぬか床を作ってしまえば、冷蔵庫で管理するので、「毎日かき混ぜなくては!」というプレッシャーもありません。気負うことなく、毎日続けられそうなことからスタートされるのが一番かと思います。

──ルネサンスごはんを始めたことで変わったことはありますか?

高林 息子は食事をしっかり食べるようになったので、以前に比べお菓子の量は減りました。今は果物の量を増やすよう、気をつけたいと思っています。

 また、息子には、昆布を細く切る手伝いもしてもらうようになりました。お手伝いをすることで、より食事に興味を持つようになったようです。

──それが何よりの食育ですよね。最近、あまり食べることに興味がない子がいるといいますが、それも親がきちんと食事を作っていれば、そんなこともないかもしれませんね。

高林 そうですね。しかし、困ったこともあります。主人は白いご飯が大好きで、どうしてもそこは譲れないとのこと。ですから、主人用のご飯だけを分けて炊くという不便さは残ってしまいます。同じ家族でも、難しいところです。

──無理強いは禁物なので、他のもの(例えば味噌汁やおかず)で補えるなら、そういう妥協点を見つけることも大事ですよね。確かに、ご主人の白米信仰でいりこ入りご飯が拒絶される、という話はたまに聞きますので。

高林 あとここに書くのは失礼かと思いますが、実は愛犬もルネサンスご飯を気に入っています。ドッグフードよりもナチュールご飯が大好きで、食いつきが違います。

──まぁ!!! でも弓田も、動物は本能的だからおいしいもの(=身体に必要な栄養を持った食べ物)が分かるのだと言ってましたよ。今までドッグフードで成人病みたいになっていた犬が、ご飯を食べたら元気になったとか、今まで人のご飯を食べようとしなかった猫がテーブルの上にあがってくるようになって困っているとか(笑)。そんな話をすると皆さん笑いますけれど、犬や猫は喋らない分、表現がストレートなのかな、と思いますね。それでは最後に。弓田亨、椎名眞知子に一言あればお願いします。

高林 食事の本来あるべき姿をこれほどまでに分かりやすく、深く教えていただいたことはありません。そして実際に味わってみて、その本質に少しのブレも感じませんでした。先生方のこれまでの豊富な経験なくして、このお料理は誕生しなかったと思います。改めて、尊敬の念を隠し得ません。

 個人的な希望としては、「ルネサンスごはんにも師範制度を…」と思います。ふだんのご飯だからこそ、1人でも多くのお母さん方に食べて、知ってもらいたいです(主人の嗜好を変えることも大事ですけれど…笑)。

──おお!心強いですね! 実はこのルネサンスごはんのホームページを立ち上げたのも、いつか「ルネサンスごはんサポーター制度」みたいなものを作って、全国各地でルネサンスごはんを教える人が出てきたらいいな、と思っているからなのです。
 なかなか椎名一人で日本全国の人に食べてもらう訳には行きません。そこで、ルネサンスごはんの考え方をきちんと理解し、教室で教えてくれるような人たちが日本全国にいたら、もっともっとルネサンスごはんの輪が広がるのではないか、と。実際に、徐々に自分達でルネサンスごはんを広めていきたいと仰るお母さんたちも出てきています。ぜひ高林さんにも、そんなサポーターのお一人になって頂きたいですが、どうでしょうか?

高林 有難うございます! 今後は、パン教室の中でも生徒さんに少しずつご紹介できればと思っています。

──これからもルネサンスごはんをぜひ食べて、周りの皆さんにも薦めて頂けたらと思います。ありがとうございました!



 


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