ブックタイトル輸入カタログ2014

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概要

輸入カタログ2014

25ペック社のチョコレートの品質が秀でている理由通常の商品は異なる産地のカカオ豆を3種類ほどブレンドして作り上げます。これには二つの理由があります。一つは単一の産地の豆だけでは香り、食感、味ともに十分力を持った味わいにするのはなかなか難しいことです。香りのしっかりしたものに味わいのしっかりしたものをブレンドすれば、全体に力のある味わいが生まれます。もう一つ、カカオ豆は農産物であり、特に気候などによって毎年味わいにブレが生じます。そのため異なる産地のものをブレンドして味わい、品質を安定させるのです。一つの産地のものが天候が悪く、豆の品質がよくなかったとしても、他の二つの産地のものが例年通りの品質であれば、大きなブレを防ぐことが出来ます。ペック社ではこのブレンドをするのは前社長のドゥルシェさんです。彼はソルボンヌ大学出のインテリなのですが、とても理知的な感受性の持ち主で、それを食べる人の心を打つ味わいを作りだします。本当に凄いと思いますし、同じ職人として彼の仕事への真摯な態度をいつも尊敬してきました。彼が選んだとても個性的なカカオ豆と、彼のセンスによって作り上げられるチョコレートは、世界で一番おいしいと私は確信します。・クーベルチュールは主に上がけのためのもので、カカオバターが約35%と多く、上がけしやすいように、よりサラサラとしています。・ガナッシュ用はカカオバターが25%強と少なく、カカオの味わいがよりしっかりしたチョコレートです。主にガナッシュを作る時に使われます。(スイートチョコレート)カカオ豆+カカオバター+砂糖+バニラ棒でつくられます。(ミルクチョコレート)スイートチョコレート+全脂粉乳でつくられます。(ホワイトチョコレート)カカオ豆から絞り出したカカオバター+全脂粉乳+砂糖で練り上げられます。チョコレート菓子を作るのにはココアの質も重要チョコレートのお菓子を作る時にはチョコレートと同時にココアも特に大事です。深い力のある五感に浸みこむ長い香りを持ったものでなければなりません。そして色合いは深く、芯のあるものでなければなりません。また保存方法がとても大事です。ペック社のものは、私のココアに対するイメージを完全に満たしてくれます。心と身体を包み込む深く長い香りはしっかりと守られています。ビスキュイ、ジェノワーズ、ババロアなどに加工される過程でも芯のある味わいは埋没せず、印象的でおいしいパートゥやクレームを作り出します。これを使えばもう他のココアは使えません。ココアは粒子が極めて細かく、表面積がとても広いため短時間で酸化され、色は白っちゃけてしまい、香り、味わいは失われていきます。製造後の包装管理がとても大事です。ショコラだけじゃない。比類なき完成度の高さのプラリネショコラだけではありません。先代社長ドゥルシェ氏の自分の仕事に対する誇りと思い入れを強く感じる物の一つにプラリネがあります。これはお菓子の素材としての完成度の高さと比類なきおいしさにいつもただただ感服するばかりです。※粗挽きと細挽き未だ日本人パティスィエの多くは舌に粒々を感じない細挽きがおいしいと考えていますが、そうではありません。粗挽きの方が、粒々の楽しい歯ざわりが感じられ、そしてアーモンド・キャラメルが混ざりすぎていないために味わいもより立体的になります。私はほぼ100%粗挽きを使います。これはヘーゼルナッツの場合も同じです。チョコレート