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離乳食の期間は短いけれど、赤ちゃんにとっては一生の健康を左右する大切なはじめての「食」の経験ですダイコンニンジン1951(初版)2010(5 訂増補)1951(初版)2010(5 訂増補)タンパク質g1.1 0.5 1.9 0.6ミネラルmgリン71 18 86 25鉄1 0.2 2 0.2ビタミンmgB1 0.03 0.02 0.1 0.05B2 0.02 0.01 0.05 0.04C 20 12 10 4弓田 亨時代に流され、本質を失ってしまった離乳食 様々の離乳食の本にはよく「離乳食は食感、つまり硬さに慣れさせるためにあり、それだけを考慮すればよい」と書かれています。しかしこれはまったく無責任な受け売りの言葉なのです。生まれ落ちた赤ちゃんは、日々活発な細胞分裂が繰り返されています。生後数ヵ月も経つとからだも大きくなり、健康な細胞を築き上げるために必要な栄養素は次第に増し、お母さんのおっぱいだけではまったく足りなくなってしまいます。 そのため「離乳食」としてお母さんのおっぱい以外の栄養素を少しずつ摂り入れ、効率的に消化吸収できるように器官を発達させるのです。 P10 でも述べているように、私たちのからだは、私たちが食べたものでできています。 離乳食のはじめから栄養素の豊かなものを食べることで、胃や腸などの器官も正しくつくられ、きちんと栄養素を消化吸収してからだに送り込む役割を果たしてくれるのです。今の日本では栄養素の欠落した離乳食が蔓延している しかしながらこの日本では、電子レンジやフリージング(冷凍)などを多用した、栄養素の欠落した離乳食が多く蔓延し、赤ちゃんが健康になることができません。 栄養素が欠落している離乳食を食べ続けると、からだにとって必要な栄養素が十分補給できず、胃や腸などの器官の完全な発達も不可能になり、欠陥住宅のようなからだになってしまいます。 「まだおっぱいを飲んでいるのだから、栄養なんか考えなくて大丈夫。ただ硬さに慣れさせればいい」などという考え方は、あまりにも浅はかで無責任な言葉なのです。栄養素の欠落した食が蔓延する日本の食卓 今、この日本で実際につくられている日々の家庭料理からは著しく栄養素が欠落しています。拙著『失われし食と日本人の尊厳』と『ルネサンスごはんは放射能にもたやすく負けない』で詳しく述べているように、現在蔓延している様々な病気が存在しなかった私の子どもの頃(1940 ~ 50 年代)から比べれば、日本の野菜などに含まれる栄養素はおよそ5 分の1 から10 分の1 に減ってしまっています。栄養素が欠落する料理法が家庭に蔓延する さらに間違った料理法や冷凍、電子レンジなどの利用によって、栄養素は致命的に減少し、皆さんの家族のからだは栄養飢餓状態にあります。このようなごはんしか日々食べることのできないお母さんは、おいしいおっぱいをつくるための豊かな栄養素を得ることができず、厳しい言い方にはなりますが、現実としては人工粉ミルク以下の栄養素の乏しいまずいおっぱいを赤ちゃんに与えているのです。 そして離乳食にもアク抜き・下茹でなどの間違った料理法や冷凍・電子レンジなどの使用が当たり前になり、離乳食の栄養素は致命的に乏しくなっています。これが生まれ落ちたばかりの赤ちゃんにアトピー性皮膚炎やアレルギーなどの症状を引き起こしている大きな要因ではないかと私は考えます。1951 年と2010 年の栄養素比較出典:五訂増補版日本食品標準成分表2 0 1 0 より114