弓田亨商店

日本の食の偽りを指弾し続けてきた 弓田亨エッセイ

31歳の時にパリにフランス菓子の勉強に行き、1年滞在し、以来たびたびフランスと日本を行き来するようになりました。

これは私に日本の食を外側から見る機会を与えてくれました。フランスの食べ物は肉、卵、野菜、果物どれをとっても日本のものとは比較にならないほど心と身体が喜ぶ旨さがある。しかし気が付いてみれば日本の産物のほとんどは味わいが平坦でとてもまずいのです。これは私にとっても大きな衝撃でした。

フランス滞在までは、おいしくて当然と思っていた日本の食が、実は少しもおいしくないことを知ったのです。

しかしフランスのおいしい産物を食べることによって、私が日本でとうの昔に忘れていた、私の子どもの頃の、フランスの産物にも負けない失われたおいしさを思い出させました。このあまりにも大きいな変化は私を愕然とさせました。

また当時の日本とフランスの子供たちの表情の大きな違い、フランスの子供は屈託のない表情で肌は艶々している。日本の子供は疲れ切った表情を顔にも身体にも漂わせている。これも大きな失望でした。そして様々の新たな経験と共に次第にこの日本の子供のくすんだ表情や、既に子どもたちを侵しはじめていた以前はほとんどなかった様々のアレルギーや病気の原因は以前とは全く変質してしまった栄養素が著しく失われてしまったことによる日本の食のまずさにあることに気づきました。

この事実がやがて、私を日本の食への冷徹な視点を与え、3冊の本を書かせました。

以来、私にとって真のフランス的なおいしさを求めることと同時に日本の食を立て直し、日本人に健康を取り戻すことが大きな仕事になってきました。

日本の食の偽りを指弾し続けてきた弓田亨エッセイ ラインナップ

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