峻烈なる道程弓田亨

弓田亨が語る「出版」

常に限界を超えようとする
本作りに挑戦しています。

巷では、お菓子や料理に関する、実に多くの本が出版されています。でもほとんどの出版社は読者のことなんか真剣に考えてはいません。その本の内容が正当なものかどうかなどは、どうでもいいことなのです。
 よく使われる常套手段としては、名の売れた美人先生の本を作り、ただ無意味なムードを注入して本を作りあげます。でもそれに従って作っても、おいしい物は出来ません。本が売れればいいという安易な考えと共に、編集者が美人先生のでたらめな技術を見抜けないからです。
 でもイル・プルーのお菓子作りの本は、発想が全く異なります。

敢えて言いますが、フランス菓子の味わいをこの日本で最も深く理解する私(お菓子作りの作り手)が、自らの資金で、作り手のための本を、決して手を抜くこともなく、原稿を書き、工程の撮影時も自らが全てを作り、鮮烈なイマジナスィオンのもとに本を作っています。 常に読者にとっては、どれが最も有益かを考え続けています。
 もちろん、本による技術習得は限界があります。しかし常に限界を超えようとする本作りを私たちは目指しているのです。
 そして、私たちが作る本のもう一つの大きな特徴は、その本が出来る時点で、私が知りえた全てのことを、ルセットゥの中でけっして隠すことなく著している ということです。自分が知りえたことを人に知られまいと隠せば、その人はもう先に進むことはありません。常に裸になり、鮮烈なイマジネーションを持ち続け れば、私にはお菓子へのインスピレーションが途切れることは生涯ありません。

例えば『イル・プルーのパウンドケーキ おいしさ変幻自在』には、パティスリー開店より23年間イル・プルーのそれぞれの時代を彩った、人気を博した商品が、さらに手を加えられ、よりおいしく、より簡明にと、綴られているのです。

お菓子や料理の作り手にとって、「値千金の本作り」をいつも目指しています。

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