私のルネサンスごはん ごはんとおかずのルネサンス

第10回:小倉朗さん(TV番組プロデューサー・50代)

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小倉朗さん プロフィール

ルネサンスごはん歴は約10年。
偶然書店で初版の「ごはんとおかずのルネサンス」と出会い、その後自らがプロデューサーを務める情報番組、TX系「トコトンハテナ」にて数度、弓田亨とルネサンスごはんを番組内で取り上げる。現在は千葉に移住。フリーでプロデューサー業を行う傍ら、田舎ライフを実践する。

脳梗塞をキッカケに食を見直し、出会った「ルネサンスごはん」
初めて作った大根の味噌汁に衝撃を受ける。

──まずは小倉さんが「ルネサンスごはん」を知った経緯から教えて頂けますか?

小倉朗さん(以下、小倉) 実は私、今から10年くらい前に脳梗塞で倒れたんです。

 病気をする前は、結構、豪華な料理本を見ながら作るのが好きで。アク抜き・下茹でをするような、弓田さんが指弾する料理法を徹底してやっていたんです。

 そこで今までの生活を見直そうと思った時に、妻が「こんな本を出している人がいるよ」と教えてくれまして。それが初版の「ごはんとおかずのルネサンス」でした。

 一体、他の料理本と何が違うんだろう。そう思いまして、まずは本を読んでみました。それでビックリしたんです。今まで栄養の事が書いてある本はいろいろあったんですが、「おいしさ」と「栄養」がどう繋がっているか書いている本ってなかったんですよね。

──最初にアク抜き・下茹でなどをしない、などのルネサンスごはんの考え方を知った時はどんな風に思いましたか?

小倉 病気になる前は、物凄く徹底してアク抜き・下茹でをやっていました。弓田さんが言うところの、懐石料理などの本格的な料理の作り方で、一番よくない作り方をしていましたね。でもやらないともっと不味いんだろうと、当時は思っていました。

──脳梗塞をキッカケに180度変わったんですね。

小倉 そうですね。病気のお蔭でここに出会えたことが全てでした。だからずっと弓田さんのことを料理の人だと思っていたんですよ。

 番組を作っている口実で会いに行ったんです。「この人はきっと正しいことを言っている」と思い、とりあえずテレビに出てもらおうと思ったんです。あとでパティシエとしてその業界では凄い人なんだと知りました。お菓子のお店をやっていることも実際に来てみて初めて知りました(笑)。

── 一番最初に作ったメニューは何ですか?

小倉 大根の味噌汁です。私は子どもの頃から大根の味噌汁が大好きで、ご飯に味噌汁をかけて食べるような、野蛮な子どもだったんですけれど(笑)。そのうちそんなに好きじゃなくなってしまったんです。

 それでまずは大根の味噌汁を作ってみようと。ビックリしました。昔好きだった大根の味噌汁の味がしたんです。弓田さんのレシピで作ってみて改めて、僕が大根の味噌汁がおいしくないと思うようになったのは、大根がおいしくなくなっていたからなんだ、と気づいたんです。

 弓田さんが本の中で書いていた「おいしいものには栄養がある」という話もピンと来ました。人間の舌の記憶って結構凄いものだなと。思い返せば、うちの母もそんな手の込んだことはしていませんでした。それこそ大根を切って、鍋に入れて、味噌入れるだけ。それでもおいしかったんです。でも暫くその味を忘れていたんです。ずっと何かが物足りなかった。その正体が今まで分からなかったんですけれど…。

──それが「豊かな栄養素」だったんですね。

小倉 そうです。弓田さんのレシピが理屈だけじゃなくて、作ってみておいしいものだと分かると、他のものも作ってみるようになりました。そのたびに、「これも昔食べた味だ」と驚きました。

 本当に子どもの頃って、単純に切って、煮て、おいしいっていう時代があったんですよ。弓田さんも本の中でそのことについていっぱい書いていますけれど、僕の世代は、それが実感として分かる最後の世代かもしれない。家庭料理なんてもともとそんなに手の込んだ料理なんて作らないんですよ。

 僕はね、「最近のお母さんが手の込んだ料理を作らなくなった」というのは嘘なんじゃないかと思うんです。昔の人たちは手抜き料理だったけれど、その食材が全然違っていたんですよ。だから切って、煮て、味噌入れるだけでもおいしかった。

 相当な名家でもない限り、僕らの時代でもそうでしたよ。ですから弓田さんの本を読んでみて、要するに昔と同じような味にするにはこんなにいろいろ入れなきゃいけないんだなっていうのが、実感として分かりました。

──確かに、ルネサンスごはんを食べたことのある方の中には、「おばあちゃんが作ってくれた料理を思い出す」と言う方も多いです。若い方でも、ご実家で野菜を作っていたという体験がある人は、都会に出てきてから野菜をおいしいと思わなくなった、という話も聞きます。

小倉 とにかくいろんな食材に強い匂いがありました。人参やごぼうが台所にあると、「ああ、あるな」って思ったものです。ごぼうを刻むとずっとごぼう臭い。そういう体験、若い人はないでしょう?

 実体験として分からなくなっている若い人たちが増えているのだから、まだそれが分かる世代の人たちがもっとそういうことを言っていかなければいけないと思いますね。


「おいしさ」と「健康」が繋がらない、
日本の食の現状を見つめて

──小倉さんはおせち料理も毎年作ってらっしゃいますよね。

小倉 ルネサンス流のおせちを知ってからは、お正月が健康的に過ごせるようになりました。以前はお正月といえばご馳走を作って食べていることが娯楽というか。おいしいものを食べて健康に繋がるという発想がなかったと思います。

 食べることが、いつしか刺激でありゲーム感覚になってしまった。そういう世の中になった要因の一つにテレビ番組があると思いますけれどね(笑)。食べることが娯楽になってしまった時に、じゃあ娯楽でなければ何なの? という問いに、皆が答えられなくなった。おいしければいいでしょ、という時代になってしまった。それが、弓田さんが言うところの「偽りのおいしさ」ですよね。

── 一方で「健康食ブーム」もあります。マクロビやガンにならない食事、最近ではタニタ食堂のレシピを筆頭に、健康に関わるような企業などの食堂のレシピが大ヒットしました。

小倉 それも、「おいしさ」と「健康」が繋がってないってことの現れじゃないですかね。「不味い=欠陥がある」という発想にはならず、「健康のためにはおいしくなくても食べる」という、ある意味歪んだ実情があると思います。おいしくない方が健康の証、みたいな。

 食事で刺激だけを楽しむ娯楽だと思う発想と、健康になるためには不味くても食べるという発想。どっちも正しくないし楽しくないと思うんですけれどね。

 僕はレシピ本があると本に忠実に作りますが、おいしいものが出来る本って案外少ないんです(笑)。弓田さんの本と出会ってからは、見るだけで何がおいしいか分かるようになりました。弓田さんが批判しているような方々のレシピも本に忠実にやってみましたけれど、考え方は素晴らしいけれど、レシピ自体はあまりおいしくないことがありますね。

 料理研究家と呼ばれる方と弓田さんの違いを挙げるとするなら、食べ物に対する基本的な考え方、おいしさの哲学があるかどうかだと思うんです。

 例えばおせち料理。それこそ僕も弓田さんの本を読む前は、おせち料理では砂糖を何袋も使っていました。あまり健康によくなさそうだなと思いながらも、「本に書いてあるから」「伝統だから」と真面目にレシピ通りに作っていました。

 黒豆も昔は何度もアク抜きをしたり、水を変えて、アクを一つも残さないというやり方で作っていました。そうしないともっと不味くなると思っていたんです。でも弓田さんのやり方では、そんなことはしなくてよいという。

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※弓田流で作った黒豆

──『失われし食と日本人の尊厳』の中でも、おせちを作った感想をいろいろ頂きました。その中でも、黒豆については、「今までのつるつるふにゃふにゃの豆は作っている私の達成感や自己満足のためだったのかと思いました」と仰っていますね。ちょっと他のコメントもいくつか紹介させて頂きます。

ひたし豆
 煮しめの材料として買った青大豆がまだたくさんあったので、ついでに作ってみました。結果「ついで」というには申しわけないほどおいしい一品ができました。これは豆そのもののおいしさを味わうにはとてもいいと思います。私の妻の実家がある庄内はよく同じような料理を作りますが、そこで最近では味つけにみりんや薄いだし汁を使ったりするものが多いのです。しかし、そういうものを抜いた方が、むしろ温かみのある味わいになるのですね。正月に上京した義母に食べさせたところ「ほっとする味」と非常によろこんでいました。

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田作り
 タレの分量は本の通りに、それ以外は残ったくるみやアーモンドでも皮付きのものをぶち込んで作ってみました。型に入れる部分は手抜きをして省略。それでも好評でした。ナッツ類は田作りによく合います。

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煮豚
 これも甘いことが当たり前のイメージがあったので、非常に興味がありました。昆布巻きでわかったので、温度管理をシビアにして作りました。試食会には登場しなかったので比較はできませんが、おいしくできたように思います。煮しめと同じように、味つけではなく「味わい」に舌が気づく力強さがあると思います。どの料理もそうですが、良く噛みしめたくなるのです。

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雑煮
 昨年までは、昆布とカツオのダシに醤油、みりんを加えて作っていたものです。これで煮しめと同様、甘みを使わずに味を組み立てるともっとおいしいものができるということに気づかされた料理です。これも毎日食べ飽きない。お正月が過ぎてもまた食べたくて、もう一度作りました。我が故郷の千葉の田舎では、雑煮に八つ頭を使うので、今年も里芋の代わりに入れました。しかしこれが年々おいしくなくなっているように感じます。10年前はねっとりとしてイモ自体の味わいが強かったように思うのですが、特にこの数年、もそもそした歯ざわりで味の薄いものしか手に入りません。おそらく全ての食材にこういう傾向があるのでしょうから、弓田さんのような料理方法がますます必要になるのでしょう。

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──ちなみに小倉さんが、ルネサンスごはんは身体にいいなと実感したのはいつ頃でしょうか?

小倉 短期間で分かりますよ。例えばルネサンスのおせち料理を3日食べれば、それまで作っていたおせち料理を食べた時と明らかに身体が違います。以前は食べすぎるとお腹を壊したりすることがありましたが、ルネサンスおせちを食べてからは、「食べすぎた」という感じもせず、すっきり次の食事の時にお腹がすきます。

 最近では出来合いのおせちを買って済ます家庭も多いようですし、年末の店頭では加工済みの食品ばかりが並んでいます。そしてだいたいが何かの甘みを使っています。私の家はまだ自分で作っていた分ましなのかもしれません。また普段の食事でも、ルネサンスごはんは「食べた!」という実感が物凄いあります。そうじゃない食事をすると、ちょっと物足りない。きちんと栄養素が摂れていないんでしょうね。

──甥っ子さんたちも、小倉さんのおせち料理のファンだそうですね。

小倉 ええ。うちの甥っ子達も、「おじちゃんの作る料理はおいしい」と言って、物凄い勢いで食べますよ。彼らを見ていると、ある種、身体が求めている栄養素をもった食事を本能的に分かっているんだな、これがおいしさだとプリミティブな感覚で理解しているんだなと思います。

 特に、おせち料理では、煮豚は人気があります。よそで食べるのはみんな甘いでしょ。まぁ、噛みしめては食べてないですけれどね(笑)。ワシワシ食べている子どもの姿を見るのって久しぶりだなぁと思います。

 子どもって正直だから、「これはえらい先生が作ったんだから有難がって食べなさい」なんて言わなくても、おいしいと食べるんです。でもおいしくないと食べない。一年目は「昆布巻きっておいしいんだね」と食べていた子どもたちが、二年目、温度管理に失敗した時は見向きもしませんでした。それは温度管理によって、材料が同じでも素材の味が壊れる(=栄養素が壊れる)と身体に必要なものではなくなってしまうことを本能的に分かっているからだと思うんです。もちろん子どもは「素材の味が壊れている」なんて言いませんけれどね。(笑)

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※お正月、甥っ子たちにおせち料理を振る舞う。

──よく弓田も、ジャンクなものに舌が慣らされていたとしても、ちゃんと栄養素をたっぷり含んだ食事を摂ると、それがおいしいと分かると言います。実際、今まで食の細かった子がルネサンスごはんはモリモリ食べて驚いた、という声もよく聞きます。


テレビ番組「トコトンハテナ」への出演

──小倉さんとの出会いから、TX系情報番組「トコトンハテナ」にも何度か出演させて頂きました。

小倉 弓田さんの影響は大きいです。世の中を全然違うところから見えるようになったというか。見る目が変わるというのは、なかなかない経験なので。それが実感伴うっていうのはさらになかなかないですよね。

 「トコトンハテナ」の前にも一度出てもらったので、都合4回ほど、弓田さんには僕が制作している番組に出演してもらいました。面白い試みではあったと思います。

 今の状況の根っこは皆同じところにあるのかもしれませんね。実感の代わりに情報。刺激。テレビ見て映画見ての刺激と同じように食事を捉える事。健康志向という情報。

 ルネサンスごはんのこともディレクターに理解してもらうのが本当に大変でしたよ。「小倉さんは弓田さんに心酔しているんだ」って言われちゃってね。作っている人たちがそうだから、伝えられる方もそういう実感ってないんだろうなって思いますよ。

──私は2006年に放映された、昔の人参を探す回が凄く印象的でした。我々にとっても、ボスが言っている「昔の味はこんな味じゃねぇんだ」っていう基準が分からないので、ボスの「おいしいものに栄養がある」っていうのが本当なのか分かりませんでしたし。

小倉 あれ、ディレクターにもよく分からないって凄く反発されたんですよ。

──でも、結局、一番おいしかった人参はこれ、と弓田が示したものが、その中で一番栄養価が高かったんですよね。それで「おいしいものには栄養がある」という弓田の考え方は本当なんだなぁと、改めて思いました。

小倉 同じものを大量に作るのが一番効率的なんです。人参の回を見てお分かりのように、ああやって細々と昔ながらの品種の人参を作っている方がいましたが、今探すと、もういないかもしれません。

 今はいろんな商品が選べますよと言われている世の中ですが、食材に関して言うと、実はそんなに選べない。かといって、そういうものを作ってくださいとお願いしても、流通の問題や、買い手がいるかの問題があります。

──また2010年に「ごはんとおかずのルネサンス」の新版が出た時にも番組で取り上げて頂きましたが、その時には、お惣菜で砂糖の入ってない物を当てるクイズを冒頭でやっていました。普段、我々は気づかないですが、野菜のおかずをコンビニのお惣菜で済ませようと思うと、実は砂糖が入っているんですよね。

小倉 そうですね。今日は甘いものを食べていないと思っている人も、実は料理の中で自然にたくさん砂糖をとっているんですよね。

 もう一つ、流通の形態がこういう風になって、要するに作っている人が一番恐れているのが食品が腐敗すること。そのために保存料を入れるようになったんですが、自然志向や健康志向で保存料・添加物を嫌う傾向が出てきた時に何をしたかというと、保存性を高めるために砂糖を大量に入れるようになったんです。だから添加物フリーとか自然食とか言われているものを食べるとすごく甘かったりするんですよ。

 田舎でも保存料として砂糖を大量に使う傾向が1970年代頃、今から30~40年ぐらい前から起こっていて、例えば地方の漬け物名人おばあちゃんがどうやって漬け物を作っていたかという話をしていた時に、「昔は砂糖が高くて漬物には入れられなかったんだけど…」と言う。どういうことかというと、今、田舎の民宿みたいなところに行くと、砂糖の入った甘い漬物を食べさせられるんですよ。

──無添加だから健康かというと、そうじゃないんですね。

小倉 昔は結婚式の引き出物が砂糖だった時代って知ってますか? 地方は特に贈答品は砂糖という時代があったんですよ。砂糖は特別な時にお贈りするもの、というイメージでした。それを日常に使うことは贅沢でむしろ出来ません、という時代でした。

 地方に取材に行くと、素朴な漬物が甘いんです。それもね、良かれと思ってやっているんですよ。安くなって砂糖がいつでも使えるようになって、いつもの料理に使うようになって。「こんな贅沢が出来るようになった」ということになったと思うんですよね。

 うちの親もね、今でも砂糖いっぱい入った料理を作っているんです。僕が作った番組を見ているにも拘らず(笑)。これは染みついちゃっているんですよね。

──食材がおいしくなくなり、調理法も砂糖でごまかすようになった。そして「食卓」から彩りがなくなったのでしょうかね。最近、ガツガツ食べる子が少なくなったという話も聞きます。

小倉 うちで食事がテーマの番組をやる時に、ADの女の子で「私は食事をおいしいと思ったことがありません。楽しいと思ったことがありません」って言う子がいてね。

 じゃあ食事ってどういう位置づけなのかというと、「食べなきゃいけないもの」って言うんです。要するに、ダイエットとか、そういう対象ですよね。

 僕らが子どもの頃って、お昼にお弁当を食べるのが楽しみだったし、今夜はカレーだと聞いたら嬉しくて早く帰ったもんですが、そういうのがない。だからコンビニでパン1個食べて、食事をおしまいに出来る。食事の楽しみが何なのか。どうもイメージとして薄くなっちゃったみたいなんですよね。

──あまり家族で食卓を囲むということもないんでしょうかね。

小倉 家族の団らんの中心にある食事そのものも大事なんじゃないかと思いますね。僕らだってお父さんの顔が見たいから夕食に集まるということはなかったですよ。今日はカレーだって聞いたから家に戻って食べるんでね(笑)。今は食事が添え物ですね。みんなでこれを食べよう、というものがないんでしょうね。存在感のある食べ物が。

 以前はそれが簡単に出来たんですよね。切って煮て味付ければ簡単に出来るものが。 家族の団らんが失われたって言われますが、弓田さんの本を読んでから、食事がまずくなったから誰も集まらなくなったんじゃないかって思っています。

 ルネサンスごはんもね、確かにアク抜き・下茹でなどの工程はないですが、昔の手抜きでおいしく出来た時よりは頑張っていろんな食材を買い求めて、気合いを入れて作らなければならなくなったと思います。だから今のお母さんが手抜きをしているというのはちょっとコクかな、と思いますよ。

 ADの子も、きっと「あれが食べたいから家に帰ろう」という記憶が一つでもあれば、食事が楽しいと思ったことがないなんて言うはずないと思うんです。

 今は食べ物で子どもはつられなくなっちゃった。食べ物に魅力がなくなると家族の団らんもなくなるのかな、と。何となくそんな気はします。

──最後に。これからルネサンスごはんを始めようと思う人へのアドバイスがあれば、お願いします。

小倉 そうですね。まずは自分が好きだと思っている料理をルネサンスごはんの作り方で作ってみるといいと思いますね。本に書いてあるとおり忠実にやってみることが大事だと思います。それで今まで作っていたものと全然違う、というのを体験すると感激すると思います。面白いから一回やってみたらどうですか?とおすすめしたいです。びっくりしたら言われなくても次作ってみようって思いますよ。

 今流行っているのは簡単でこれだけの手間しかかかりません、みたいなレシピでしょ。そういうものだと、それなりのものですよね。

 ルネサンスごはんを作って感じるのはお菓子づくりの厳密さです。お菓子作りって、始まったら混ぜ方一つ、その通りにやらないとダメでしょ。そういうふうに作る美味しさもあるんだなあって実感できます。やっぱり弓田さんは、お菓子の世界から入ってきた人だなって思いますね。

 これからルネサンスごはんにトライする方に言いたいのは、これは単なるグルメ本じゃないということです。おいしいものを、どうやって人の身体が欲するのかということがわかる本です。本の通りに料理を作って食べてみると、そういうことが身体にしみ込んで分かりますよ

──ありがとうございました!


 


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